2015年09月17日

香嵐渓シンポジウムが開催されます。

第6回香嵐渓シンポジウムが開催されます。

日時は、10/17(土)午後1時30分より、場所は足助病院 講義室です。

下記のテーマおよびシンポジストのみなさんに関心がある方ならどなたでも参加できます。






第6回香嵐渓シンポジウム
「いつまでも、ここで生きる」
高齢化と過疎化が進む中山間地域におけるエイジング・イン・プレイス
- 共助型の移動支援と見守りサービスの構築を目指して -


◆シンポジスト

・鎌田 実 氏
東京大学 高齢社会総合研究機構
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/pros/person/minoru_kamata/minoru_kamata.htm

・剣持 千歩 氏
名古屋大学 環境学研究科
http://www.env.nagoya-u.ac.jp/company/index.html

・石川 要一氏
豊田市経営戦略室

・早川 富博 氏
足助病院 院長



◆ビデオメッセージ
太田 稔彦氏
豊田市 市長



主催:
三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会
愛知県厚生連足助病院

共催:
愛知県病院協会
JA共済総合研究所





この香嵐渓シンポジウムを含めた様々な案件についての第26回定期意見交換会が8/26(水)19時より足助病院講義室にて開催されました。







昼間の仕事や家事でお疲れのところ、大勢のみなさんが集まりました。

















  


Posted by yamazato_sentiments  at 10:31Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2014年10月19日

認知症について学びました。 (第5回香嵐渓シンポジウム)



2014年10月18日(土)、足助病院南棟の講義室にて第5回香嵐渓シンポジウムが開催されました。










プログラムは下記のとおりです。

1. あいさつ 三河中山間地域で安心して暮し続けるための健康ネットワーク研究会会長 早川富博氏

2. 基調講演
テーマ: 「認知症を理解する」
  講 師: 認知症高齢者研究所 代表理事 羽田野政治 氏

3. 基調報告
  テーマ: 「2014年認知症についてのアンケート調査結果」
  講 師: 足助病院 院長 早川富博氏

4. シンポジウム
テーマ: 「豊田市における認知症ケアと北部中山間地域の課題」
  司会進行: 足助病院 院長 早川富博氏 
  《シンポジスト》
         認知症高齢者研究所 代表理事 羽田野政治氏
         古橋クリニック 院長 古橋義人氏
         豊田市市民福祉部地域福祉課担当長 西山日登美氏
         豊田市基幹包括支援センター 所長 松村健一氏

5. 総合討論・質疑応答
 総合司会: 足助病院 院長 早川富博氏

         


認知症高齢者研究所代表理事の羽田野先生。
横浜市から足助まで足を運んで下さいました。
認知症ケアはその人らしさの確認をすること=その人らしさの情報を収集することが大切であると説かれました。
いつもと違う=気づき
できないことを手伝う=ケア
など、シンプルですが印象的なキーワードを用いられ、医療従事者以外の一般人も腑に落ちる大変わかりやすいお話でした。




相互作用があることを自覚せよ、相手とかみ合わない現象が起きたら関心を払うと同時に、相手に影響を与えている自分の感情や言動に注意を払うべき、ともおっしゃいました。
苛立ち、怒りを感じてしまったら、とにかくまず水を一杯飲みなさい、とも。
幼少期に親から暴力をふるわれた経験を持つ子供が大人になり、認知症となった親をケアをする際にうまくケアができないときには、親に暴力をふるう傾向がある、という話は大変驚くものでした。






シンポジストの古橋義人氏。
認知症ケアにおける山間僻地での問題点などについて、実情をお話してくださいました。
より個別的な対応をしよう、情報を共有しよう、地域力を活用しよう、といった提言がなされました。
(認知症の方同士の会話のエピソードが語られると、会場はほんわかした雰囲気になりました。)




西山日登美氏。
みなさんは、はつらつクラブ事業、いきいき健康チェック表、かえるメールとよた、のこと、ご存知ですか?
発信力を強くしていきます、とおっしゃってくださいました。




松村健一氏。
地域包括支援センターの活動を紹介してくださいました。




認知症アンケートは、足助、旭、稲武、下山、高岡、設楽、東栄、豊根、作手の住民のみなさま及び足助病院職員のみなさまを対象に行われたもので、認知症に関する知識は多くの方がほぼ正確に持っていらっしゃることや、認知症になったら告知をしてほしい・地域に知ってほしいという意見を持つ方が半数以上いらっしゃること、認知症を地域で看ることに賛成だという方が6割を占めることなどの集計・解析結果が早川富博氏より示されました。
また早川氏からは「今日のシンポジウムは地域支援の在り方を考えて実行するためのキックオフミーティングとしたいです。」という呼びかけがなされました。




シンポジウムでは、会場からの質問や意見にシンポジストが事例を出してわかりやすく答えて下さいました。

"地域で支援する"、とはいったいどういうことなのか、今後の動きに注目です。








































  


Posted by yamazato_sentiments  at 00:19Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2014年10月18日

本日午後、香嵐渓で認知症を学びませんか。

【第5回 香嵐渓シンポジウム】

今回のテーマ:「中山間地域における認知症ケアと認知症の予防」

日時:平成26年10月18日(土) 13:30開始(開場12:30)

場所:足助病院 南棟講義室




以下は、シンポジウムを主催する健康ネットワーク研究会の会長で、足助病院 院長の早川富博氏からのレターです。


高齢社会の先進地区である三河中山間地域における研究会として、これまで地域が主役となるテーマを主体にシンポジウムを開催してきました。

平成23年に 「地域力を考える」 ~十年後の地域を想像する
平成24年に 「高齢者の生活と健康」 ~食・運動・心のよりどころ
平成25年は 「健康は地域でつくる」 ~地域包括ケアネットワークを考える

と題して地域づくりと健康づくりをテーマに取り組んできました。

今年は、高齢社会で避けて通れない「認知症」をテーマにしました。「認知症」の予防とケアには、まず「認知症」という病気の理解が必要です。それに基づき予防とケアが続きます。
認知症の予防とケアは、地域包括ケアシステムもしくはネットワーク作りに直結します。
地域包括ケアシステム構築には5つの構成要素があり、住まいと住まい方、生活支援、保健・予防、医療・看護、介護・リハビリテーションです。また、その方法の中に、自助、互助、共助、公助という考え方が打ち出されています。
超高齢化社会に入る2025年には共助、公助が大きく衰退し、住民自ら自助、互助でネットワーク(システム)を支えなければならなくなるでしょう。
これらを見据えて、本シンポジウムでは、認知症高齢者研究所の羽田野先生による「認知症とは」 という基調講演を拝聴し、続いて棟地区において実施させていただいた 「認知症に関するアンケート結果」 を報告し、その後、地域の診療所の古橋医師、豊田市行政西山担当課長、社協基幹包括支援センターの松村所長を交えて、地理的なハンデを持つ中山間地域における認知症の予防とそのケアについて意見を出し合い、建設的な地域包括ケアシステム構築という階段を上り始める端緒にしたいと考えています。
皆様よりご意見をたくさん頂戴したいと考えていますので、多くの方々の参加をお願いします。
































  


Posted by yamazato_sentiments  at 09:37Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2014年10月16日

香嵐渓シンポジウムが今週の土曜日に開催されます。


第5回 香嵐渓シンポジウムが平成26年10月18日(土)に足助病院講義室にて開催されます。
今年のテーマは、「中山間地域における認知症ケアと認知症の予防」です。
以下は、シンポジウムを主催する健康ネットワーク研究会の会長で、足助病院 院長の早川富博氏からのレターです。
以前の記事にも載せましたが、シンポジウムが近くなりましたので再度掲載いたします。



高齢社会の先進地区である三河中山間地域における研究会として、これまで地域が主役となるテーマを主体にシンポジウムを開催してきました。

平成23年に 「地域力を考える」 ~十年後の地域を想像する
平成24年に 「高齢者の生活と健康」 ~食・運動・心のよりどころ
平成25年は 「健康は地域でつくる」 ~地域包括ケアネットワークを考える

と題して地域づくりと健康づくりをテーマに取り組んできました。

今年は、高齢社会で避けて通れない「認知症」をテーマにしました。「認知症」の予防とケアには、まず「認知症」という病気の理解が必要です。それに基づき予防とケアが続きます。
認知症の予防とケアは、地域包括ケアシステムもしくはネットワーク作りに直結します。
地域包括ケアシステム構築には5つの構成要素があり、住まいと住まい方、生活支援、保健・予防、医療・看護、介護・リハビリテーションです。また、その方法の中に、自助、互助、共助、公助という考え方が打ち出されています。
超高齢化社会に入る2025年には共助、公助が大きく衰退し、住民自ら自助、互助でネットワーク(システム)を支えなければならなくなるでしょう。
これらを見据えて、本シンポジウムでは、認知症高齢者研究所の羽田野先生による「認知症とは」 という基調講演を拝聴し、続いて棟地区において実施させていただいた 「認知症に関するアンケート結果」 を報告し、その後、地域の診療所の古橋医師、豊田市行政西山担当課長、社協基幹包括支援センターの松村所長を交えて、地理的なハンデを持つ中山間地域における認知症の予防とそのケアについて意見を出し合い、建設的な地域包括ケアシステム構築という階段を上り始める端緒にしたいと考えています。
皆様よりご意見をたくさん頂戴したいと考えていますので、多くの方々の参加をお願いします。






























  


Posted by yamazato_sentiments  at 19:56Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2014年08月21日

認知症の予防と地域ケア




第5回 香嵐渓シンポジウムが平成26年10月18日(土)に足助病院講義室にて開催されます。
今年のテーマは、「中山間地域における認知症の予防と地域ケア」です。

以下は、シンポジウムを主催する健康ネットワーク研究会の会長で、足助病院 院長の早川富博氏からのレターです。



高齢社会の先進地区である三河中山間地域における研究会として、これまで地域が主役となるテーマを主体にシンポジウムを開催してきました。

平成23年に 「地域力を考える」 ~十年後の地域を想像する
平成24年に 「高齢者の生活と健康」 ~食・運動・心のよりどころ
平成25年は 「健康は地域でつくる」 ~地域包括ケアネットワークを考える

と題して地域づくりと健康づくりをテーマに取り組んできました。

今年は、高齢社会で避けて通れない「認知症」をテーマにしました。「認知症」の予防とケアには、まず「認知症」という病気の理解が必要です。それに基づき予防とケアが続きます。
認知症の予防とケアは、地域包括ケアシステムもしくはネットワーク作りに直結します。
地域包括ケアシステム構築には5つの構成要素があり、住まいと住まい方、生活支援、保健・予防、医療・看護、介護・リハビリテーションです。また、その方法の中に、自助、互助、共助、公助という考え方が打ち出されています。
超高齢化社会に入る2025年には共助、公助が大きく衰退し、住民自ら自助、互助でネットワーク(システム)を支えなければならなくなるでしょう。
これらを見据えて、本シンポジウムでは、認知症高齢者研究所の羽田野先生に よる「認知症とは」 という基調講演を拝聴し、続いて棟地区において実施させていただいた 「認知症に関するアンケート結果」 を報告し、その後、地域の診療所の古橋医師、豊田市行政西山担当課長、社協基幹包括支援センターの松村所長を交えて、地理的なハンデを持つ中山間地域における認知症の予防とそのケアについて意見を出し合い、建設的な地域包括ケアシステム構築という階段を上り始める端緒にしたいと考えています。
皆様よりご意見をたくさん頂戴したいと考えていますので、多くの方々の参加をお願いします。





(上の写真は昨年のシンポジウム会場にて撮影したものです。)




















  


Posted by yamazato_sentiments  at 21:07Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2014年07月02日

中山間地域における認知症ケアと認知症の予防




今年の香嵐渓シンポジウムのテーマは、中山間地域における認知症ケアと認知症の予防です。






シンポジウムは,10月18日(土)に開催される予定です。
詳しいことが分かり次第、記事にして報告いたします。




*これまでのシンポジウムについては、これらの記事をご覧ください。




















  


Posted by yamazato_sentiments  at 19:55Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年10月01日

香嵐渓シンポジウム2013

今年の香嵐渓シンポジウムの様子です。


総合司会の足助病院長早川富博氏が、講演演者として最初に紹介したのは、この方でした。




北設楽郡設楽町津具地区の医療に7年半携わられたのち、現在は北海道の夕張市立診療所所長を務められている高木健太郎氏。
どちらの地域も高齢化率は45%とのこと。医療と介護と地域の連携について、両現場でのご経験を熱く語って下さいました。








続いて、豊田市市民福祉部部長の今井弘明氏。




保健・医療・福祉に関する行政策と中山間地域の実情についてご報告いただきました。
地域包括ケアシステムの中心となる地域包括支援センターと地域ケア会議、地域見守り会議の紹介に加えて、里山健康学び舎事業、里山げんきグループ活動支援事業、地域ふれあい通所事業といった保健事業について解説いただきました。
画一化したシステムではなく、各地域の特性にあったシステムを作り上げることが必要であると語られました。




はるばる島根県から足助までお越し下さったのは、島根大学疾病予知予防プロジェクトセンター専任講師の濱野強氏。
「健康を支える地域の力」と題して、2006年より開始された中山間地域を対象とする地域力(地域のつながり)研究プロジェクトについてご紹介下さいました。
無理の無い健康づくり活動を行うためには、地域性や地域に住む人々のつながりを知ることが大切である、とおっしゃる濱野氏が掲げられた「地域づくりは健康づくり」というキーワードに、多くの聴講者がうなづいてしました。











  


Posted by yamazato_sentiments  at 07:00Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年09月30日

足助病院祭と香嵐渓シンポジウム #2

前回の記事の続きです。


9月28日(土)、晴天。

リニューアルされて美しくなった足助病院の敷地内にて、毎年恒例の足助病院祭が催されました。



















13時からは、南棟にある講義室にて、第4回香嵐渓シンポジウムが開催されました。











シンポジウムのテーマは、「健康は地域でつくる」 ~地域包括ケアネットワークを考える~ というもの。 







総合司会は、足助病院院長の早川富博氏。
シンポジウムを主催した、三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会の会長も兼務されています。
なお、冒頭の挨拶で、昨年のシンポジウムの開催記録を綴った冊子をご紹介されました。来場者、関係者に配布されたこの冊子は、研究会事務局に若干の在庫があり、現在のところ希望すれば入手が可能です。





2013年の香嵐渓シンポジウムのゲストは、津具診療所所長として津具地区の医療に携わられたのち、現在は北海道の夕張市立診療所所長を務められている高木健太郎氏をはじめとして、豊田市市民福祉部部長の今井弘明氏、島根大学疾病予知予防プロジェクトセンター専任講師の濱野強氏の御三方でした。




To be continued.












  


Posted by yamazato_sentiments  at 23:17Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年09月30日

足助病院祭と香嵐渓シンポジウム

前回の記事の続きです。
写真で当日の様子をご紹介します。
まずは病院祭の方から。










  


Posted by yamazato_sentiments  at 09:38Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年09月28日

第4回香嵐渓シンポジウム 開催中

本日、足助病院南棟一階講義室にて、第4回香嵐渓シンポジウムが開催されています。
時間は15:20まで。
足助病院祭にお越しの方、お近くの方、お席は若干ありますのでいまからでもどうぞ。

シンポジウムの内容については会場の様子をおさめた写真を交えてまたあらためてこのブログにてご報告いたします。






  


Posted by yamazato_sentiments  at 14:34Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年09月20日

第4回 香嵐渓シンポジウム開催のお知らせ

◯とき
平成25年9月28日(土)午後1時より

◯場所
足助病院講義室

◯テーマ
「人がつくる地域包括ケア」
ートータルな健康(well being)ー

◯演者
希望の杜夕張市立診療所
所長 高木健太郎氏

豊田市役所市民福祉部
部長 今井弘明氏

島根大学疾病予知予防研究拠点
専任講師 濱野 強氏

*テーマ提案・総合司会
足助病院病院長(三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会会長)
早川 富博氏






今回のシンポジウムは、足助病院の病院祭と同日に、足助病院内にて開催されます。
ぜひ足をお運びください。


  


Posted by yamazato_sentiments  at 20:00Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年02月08日

【 香嵐渓シンポジウム 2011 】 開催記録

2012年の香嵐渓シンポジウムの会場にて、その前年となる2011年の開催記録を綴った冊子が配布されました。
研究会の会長である足助病院長の早川先生とともにNPO法人「共存の森」から澁澤寿一氏、足助商工会から浅井恒和氏、NPO法人 地域の未来・支援センターから萩原善之氏、くくのち学舎から渕上周平氏、農協共済総合研究所から川井真氏が登壇され、足助病院の後藤継一郎事務長が開会を宣言するとともに、シンポジウムの総合コーディーネーターとしてお招きした川井真氏を紹介されるところから記録は始まります。
どんな内容だったのか、以下に簡単にまとめましたので興味のある方はどうぞご覧ください。









農協共済総合研究所の川井氏が自己紹介の挨拶にて、

・日本中のあらゆる人々が様々な不安を抱えているが、質は違えど実は根本は極めて似通った問題で苦悩し続けている
・それらの問題を解決する手段のひとつとして地域力が求められている
・日本の後を追うように今後急速に高齢化の道を辿るアジアの他の国々は、一足早く正念場を迎えている日本がどう乗り切るかを注視しているのでうまく乗り切れば新しい社会モデルをアジアに示すことになる
・自然から搾取するのではなく自然と共に生きてきた日本人の強みと島国という日本の地理的強みなど地域力を高めやすい要素が揃っている

と話されました。
その後、川井氏が早川先生を紹介され、早川先生から「三河中山間の地域力を考える」~中山間地域における当院の取り組み~というタイトルで、スライドを用いながらの趣旨説明が始まり、病院と研究会の両方について様々な取り組みの詳細を語られています。



基調講演は「日本の里山に生きること」というタイトルにて澁澤寿一氏が

・日本は(2011年の)3月11日を境に変わった、高度成長の末に震災を経て全部を都会に集中させる社会から分散型社会に舵が切ろうとする人々が現れ始めた
・しかし実はそもそも日本は昔から地域の独立性で生きてきた国だった
・人任せの社会からもう一度自分たちでものを考える社会にすべきだと思う
・地球一個は足りなくなっている、つまりこのままでは70億人が地球一個で生きられなくなる時が訪れてしまう

という問題提起をされたのち、ご自身が秋田の山奥の集落をこの20数年間訪ね続けているというエピソードを紹介されます。その昔、秋田では過去に大規模な飢饉が起きて大勢の人々が命を落としているが、その集落では古文書が残っている過去300年間において一人の餓死者も出していないというのが通い出したきっかけだそうです。ここには書きませんが、その秘密はとても興味深いものでした。
他にも、山形の置賜地方の草木塔や馬頭観音、庚申塚、お不動さんの写真を紹介し、人々が自然といかに共生しようとしてきたかについて語られたり、沖縄のオジイ、オバアが生きる上で大切にしているポリシーのようなものの紹介など、その場でぜひ聴きたかったと思えるエピソードが続きます。

・生活はつくるものだということがもう一度見直される
・そして中山間地域での生き方がもう一度見直される時代がくると思っている

澁澤さんは聴衆に向かってそう語りかけています。



コーディネーターの農協共済総合研究所 川井氏に促され、足助病院長の早川富博先生と澁澤寿一氏が再び壇上に上がり、フロアーからの質疑応答の時間となりました。


地元の高校生からは


・少子高齢化となってきているのを自身も感じている
・もっと若い人たちが活発に暮すことができれば子供が増えていくのかなと思う


というような発言があり、それに対して早川先生からは


・ここ数十年に繰り広げられたような消費社会のままでいくのか、50年前の暮しに戻るのか、50年前と現代の中間みたいなところを目指すのか、若い世代の方が今後どのような生活を目指すのかがポイントになるのでは


とのコメントが。
澁澤氏は


・足助は底を打って上がり始めているのかもしれないと思う
・空家バンクに申込者が殺到したりしている状況があり、若夫婦が都会から何組かやってきている
・年にひと組ぐらいずつ入ってくるだけで数が確実に維持できるし、あるいは上がってくる
・都会からやってくる若者を各集落が温かく抱え込んでいただければ多分順調に足助は伸びてゆくと感じる
・年収700万、1000万を目指しましょうという時代ではないと思う。


と語られ、消費に重きが置かれたこれまでの生活に最早価値観を見いださず、心身ともに豊かに暮らすためにむしろ生活のサイズダウンすることを望む若者が増えているとおっしゃっています。
そして


・豊田の中山間地域は人が今まで出て行った比率がものすごく大きいからその人たちが帰ってくる余力は他のところに比べたら全然違う
・このあたりの若い人たちは旧豊田市内やせいぜい名古屋など、週に一回実家に帰ろうと思えば帰ることが出来る近距離に出ている人が多いため地域とのつながりが確実に残っている。
・都市と中山間地を組み合わせた生活、そういう生き方をチョイスしたいと若い人たちが思えばものすごくチョイスができる魅力的な地域だと思う


と続けられます。
コーディネーターの川井氏が澁澤氏の発言に「目からうろこでした。」と言われ、フロアーにいる聴衆が思い浮かべるイメージがさらに膨らむように

・ある程度の産業が整った町と、農林業を中心とした山間部での第一次産業とのコラボレーションがとりやすい地域なのかもしれない

と補足のコメントをされました。
そして、「ほかにどうですか。何か今のお話を聞いて。」と会場に呼びかけます。
すると、79歳の方がマイクを握って次のようなことを語り始めました。


・昔の生活はつらかった。親父と一緒に山に行き炭を焚き、雨が降っても田植えをする、それも手で。一日中這いつくばっていて腰が痛くてしょうがない。同時にお金もない。百姓と、山仕事と、貧乏が一番嫌いだった。
・その後、石油を利用するようになり、新幹線や車が走る時代になり、百姓をやるにも、移動をするにも文明の恩恵を受けてきたが、それはそれで昔のつらい暮らしぶりのことを思えば意義があると思える。
・決して間違いではなかったと思うが、地球環境の良くない変化だとか、身近なところでは山が荒れて、耕地も荒れてという様子になってきたのを見て、自然に寄りそう暮らしを望む人々が現れるのは、人間が長く生きる間のサイクルとして理解できる。
・早川先生は「会をつくってこれからみんなでやっていく、会員には息子や孫を入れていく」ということをおっしゃっていたが、「田舎に帰ってこいよ」という話があってもなかなか思うようにはいかない現実があるし、どういう風に手をつけて良いのかと思い悩んでいるこの足助が渋澤先生がおっしゃったように本当に良い方向に今後進んでいけるのか、ジリ貧ではないのか、と不安に思う。
・しかし弱気にならずに、力強く生きていかねばならない、とも思っている。

と正直な気持ちを語られました。

澁澤氏は


・まさにおっしゃったサイクルで、もう一回どこまで戻れるかを探していくことになり、それは地域ごとの個性になってくると思う
・お婆ちゃんたちに、どこまでだったら戻れるかと聞いたことがある。つらい暮らしを変えてくれた農業機械の話で例えて考えてもらったら、我々は便利さをとっくに通過してしまったことがわかった
・これからは確実に、便利になっていくのではなく、ある不便さを伴う形に世の中全体が、都市だ地方だということに関わらずなっていくが、それをどう喜びに変えられるかというのは、その地域の知恵だと思う
・あの時代に戻れとは思っていないが、行き過ぎてしまったことだけははっきりしている
・一体どこまで戻れるかということを皆さんと考えていくことが大事であり、その中のひとつが医療の問題なのかなと感じる


早川院長は


・ジリ貧ということで言えば、病院を立て直すときに人口推移のシミュレーションをしたところ、いまのままでいったとしても20年後までは大丈夫という試算 (病院経営が可能という試算) がなされた、しかし地域の人口は少しずつ減っていく
・外に出たご子息も定年退職されたら帰ってくればいい、帰ってきたところに楽しい地域を作っておく、じじばばが住むには医療と介護のセーフティネットが必要、セーフティネットにお金をかけすぎてはいけないのでお金をかけずにどういうセーフティネットをつくるのかというのがぼくらが考えること
・お金が入らない病院は消滅してしまうかもしれないが、そうではないという政策・方法をかんがえた場合は予防医学でいくことになる
・これからは、いかに生きるかということはいかに死ぬかということとイコールになる
・死に方にはいろいろあって良いはずで、家で、病院で、施設で、と最後の最後のところでは選択肢がいろいろあるという多様性を社会がある程度担保するのが理想
・健康的に生きる、あまり病まないように生きるための予防的な医療をしていきたい
・この地域で60代以上の方が楽しみをもって元気でいきいきと生きていることが大事、僕らはみなさんが安心していきいきとされるためのセーフティネットで下支えをするつもりである、そしてそれはできるのではないかと思っている



と、それぞれ心強いコメントを返されました。




(ここからはさらに数名の方々が登壇されとても有意義なシンポジウムが行われたのですが、近々2012年のシンポジウムのことも記事としてアップしなければなりませんので、おととしの開催記録の紹介はこのあたりでいったんおわりたいと思います。
また別途ご紹介する機会もきっと訪れようかと思いますし、もしも記録をすべて読んでみたいと思われた方は研究会または山里センチメンツに直接コンタクトしていただいても構いません。コピーを貸出させていただきます。)















  


Posted by yamazato_sentiments  at 18:00Comments(0)*香嵐渓シンポジウム

2013年01月01日

香嵐渓シンポジウム2012

素晴らしい秋晴れとなった2012年10月20日の土曜日。
豊田市足助町の飯盛座にて香嵐渓シンポジウムが開催されました。

近々その様子をご紹介します。
少々お待ち下さい。





  


Posted by yamazato_sentiments  at 10:58Comments(0)*香嵐渓シンポジウム